第1653夜 【リスのたんじょうび】

【リスのたんじょうび】
偕成社 2018年9月発行
トーン・テレヘン
野坂悦子 訳
植田真 画
risuno tanjo-bi.jpg
黄色い表紙の小さな本を読んでいる間、
一日に〝コロナ”ということばを何十回も見聞きしている今の現実から、
しばし隔離されていました。

なにしろお話が想像をはるかに超えています。
リスの誕生日パーティには、水陸空中地下の、
ありとあらゆるところから動物たちがやって来るのです。

ゾウ、クジラ、ミミズ、ハチドリ、ユキギツネ、タツノオトシゴ、
オバケバッタ、アザラシ、モグラ、イルカ、カワカマス、コイ、トゲウオ、
ラクダ、スナバエ、ザリガニ、ヒバリ、クマ、ホタル、カブトムシ、コオロギ、
キリギリス、セイウチ、カメ、ハリネズミ、カタツムリ、イカ、ハクチョウ、
サギ、ツグミ、サケ、トンボ、キリン、カエル、ダチョウ、カバ、サイ、
マルハナバチ、コウノトリ、クロウタドリ、サヨナキドリ、キツツキ、
トビウオ、エイ、キクイムシ、ツチボタル、アリ…

軽い気持ちで挙げ始めたら、大変な数になりました。
びっくりです。
思わず分類したくなります。
漏れている生き物がいたらゴメンナサイ。

それぞれの動物に、リスは招待状を送り、
それぞれの動物が、リスのためにサプライズプレゼントを用意し、
それぞれの動物が、おめかしをしてやってきます。

リスは、それぞれの動物にふさわしいケーキを一つずつ用意します。

みんなにちゃんと招待状は届くだろうか…
みんながちゃんと自分のうちまでたどり着けるだろうか…
みんながケーキを気に入ってくれるだろうか…
みんながパーティを充分楽しんでくれただろうか…

小さな胸で、リスが心配する様が、
愛らしくもあり、ちょっぴり切なくもあります。

そんなリスに、本当にさりげなく寄り添っているのがアリです。

パーティが終わり、みんなが帰った後、
リスの家(ブナの木の根元)にやってきて、アリが言います。

「でもね、リス。
 ほんとに、すごくたのしいパーティーだった」

余計なことは言わずに、
相手が欲しいであろうことばだけを言うというのは難しいものです。

リスに、アリという友だちがいてよかったなあと思います。

柄にもなく、自分も誰かにとってそのような存在になれたらなと願いました。

ほわほわと空気のような、風のような、水のようなお話にぴったりの絵です。
とてもやさしい…

理由のわからないため息のようなものが、自分からもれました。

















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