第1128夜 【タンゲくん】

【タンゲくん】
福音館書店 1992年10月20日発行
片山 健
画像

まずはこの大迫力の表紙です。
この力強い形相から、不思議なパワーが伝わってきます。

“タンゲ”とは、もちろん片眼片腕の剣士、丹下左膳からきているのでしょう。
だって、名付け親がお父さんですから。
しかし、もはや丹下左膳を知らない人もいるでしょうね。
このネコの風体と名前のしっくり感は、丹下左膳を知っているからこそ感じるもので、そのことを思うと、若い人達には(勝手に)同情します。

ある日、晩御飯を食べていると、見たこともないねこがのっそり入ってきます。
片方の眼がつぶれていたねこに、お父さんはタンゲくんという名前を付けます。

「タンゲくんは うちのねこに なりました。
わたしは タンゲくんが うちのねこに なってくれて うれしいです。
タンゲくんが いるだけで うれしいです。」

タンゲくんがきみの悪い虫をとってきてはびっくりさせても、
満月の夜に狂ったように家中を走り回っても、
「わたしは タンゲくんが だいすきです。」

この揺るぎない愛情からも、私はパワーをもらうのです。

タンゲくんは飼い猫になりましたが、野生のたくましさを失いません。
頭をかしげてえさの魚を、ガッガッと食べている姿は、久々に見る私の持つイメージ通りの“ねこ”です。
そのくせ、女の子のおなかの上で、丸くなって、気持ちよさそうに眠ったりするタンゲくん。
その名の由来にふさわしく、ニヒルだけれど甘いのです。

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