第570夜 【しろねこ しろちゃん】

【しろねこ しろちゃん】
福音館書店 こどものとも年少版 通巻301号 2002年4月1日発行
森 佐智子 文
MAYA MAXX 絵
画像

他の人と違うことをしたがる十代のある時期においてさえ、私の経験からいうと、やっぱりみんなと同じだと安心という傾向が日本人にはあるようです。
自分も若い頃はそうだったのでしょうが、息子を見ていると、そんな格好で変に目立つでしょ、という変わった身なりをしていたかと思うと、ファッション雑誌どおりの組み合わせにこだわったり、実にちぐはぐです。
よかれと思って言う私の忠告など右の耳から左の耳ですが、むしろ、「ハイ」と素直に従うほうが、息子の場合に限って言えば、気持ち悪いかもしれません。

さて、絵本のお話です。

真っ黒なお母さんネコから、子ネコが生まれました。
真っ黒な子ネコが3匹と、真っ白な子ネコが1匹です。
みんな、お母さんのお乳を飲んで、どんどん大きくなりました。

ある時、白い子ネコの“しろちゃん”は、自分だけが真っ白なことに気がつきました。
“しろちゃん”は白い自分がいやで、わざと転がったり、体をこすり付けたりして、少しでも毛を黒くしようとしますが、お母さんに見つかると、すぐ舐められて、元の真っ白な毛にされてしまいます。

ある日、お母さんが子ネコたちに言います。
「今日は、お父さんが帰っていらっしゃるから、きれいにして待っておいで」

なんだか、ネコの世界にも単身赴任めいたものがあるような気がしてきました。
ネコは気まぐれ、一夫一婦制とは程遠いシステムを持つ種、そんなイメージをさらりと払拭するような、お母さんネコの上品な物言いと、毅然とした態度のおかげでしょう。

それを聞いた兄さんたちは大喜びでしたが、“しろちゃん”は自分だけ白いのが恥ずかしくて、そっと家を抜け出します。
途中で“しろちゃん”は何を見たでしょう。
(このページが大好きです。
文章も、絵も。)

“しろちゃん”の何倍もあるような、大きくて真っ白いネコでした。

“しろちゃん”はすっかり嬉しくなって(本当に嬉しそう)、後について歩き出します。
驚いたことにそのネコは、“しろちゃん”の家の前で止まりました。

『もしかして・・・』

お母さんが言います。
「子どもたちや、
お父さんが帰っていらっしゃったよ」

『やっぱり! 』

お父さんは3匹の黒い子ネコを嬉しそうに見ました。
そして、
「これで ぜんぶかね」
とお母さんに聞きました。

「いいえ。
おとうさんの うしろに ほら、しろちゃんが」

お父さんは、真っ白な“しろちゃん”を見て、とても嬉しそうでした。
でも、一番嬉しかったのは“しろちゃん”でした。

子どもが自分に似ているというのは嬉しいものなのでしょうね。
我が家の子どもたちは二人とも、外見上、私にも夫にも似ていません。
似ていると自覚するのは、妙な性格、つまり欠点と思しきところなので、嬉しいというよりは、『あ~ぁ、なんで・・・』という感じのことが多いのです。
ただ、欠点と長所は表裏一体であることもままあります。
『それもまたしかたないか・・・』と、自分を納得(あきらめ)させる日々です。


【ダックスくんとフントくん】
福音館書店 こどものとも年少版 通巻398号 2010年5月1日発行
えとぶん MAYA MAXX
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ダックスくんとフントくんしか出てきません。
背景もセットも小物もなしです。
(*えさの入った入れ物だけ)

しかも、常に二人はアップです。
こんな贅沢な絵本があるだろうかと思った次の瞬間、『誰にとって?』と一人突っ込みしてしまいました。
とにかく、迫力満点です。
そして、まるで触っているような錯覚を覚える毛の質感。

頭の大きさと胴体の大きさの比率が・・・とか言ってる場合じゃありません。
存在感が問題なのでした。

ダックス君とフントくんは仲良し。
かけっこをしては、勝ったり負けたり。
負けたり勝ったり。

   勝っても いいの
   負けても いいの

   どっちでも いいの
   どっちも いいの

このフレーズ、とっても いいの。
(Aug. 2010 書き加え)

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