第480夜 【ことばあそびえほん】

【ことばあそびえほん】
のら書店 2000年1月発行
石津ちひろ 文
飯野和好 絵
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私は回文が大好きです。(第323夜でもふれました。)
学級通信、学年通信の隅っこには、必ず絵付きで回文を載せていました。
よく聞く回文よりは、『なんじゃ、こりゃ?』というのが好みです。
例えば、シリーズで載せたものに、「つままつ」シリーズ、「ぼくくぼ」シリーズがあります。

「妻を待つ」
「妻が待つ」
「妻は待つ」
「妻よ待つ」(背中に泣いている赤子をおんぶして、ガラガラであやしながら妻を待っている無精ひげの夫の絵はなかなか泣かせます。)
「妻と待つ」
「妻と松」
「妻の“マツ”」(妻の名前が“マツ”さんということ)
「妻は“マツ”」
「妻の松」

「僕、久保」
「僕は久保」
「僕、大久保」
「僕は大久保」
「僕と久保」
「僕が久保」
「僕の久保」(これは絵が難しかった・・・。)

その学校特有の回文もありました。
たいていは先生の名前を使って。

「かなたにたなか (彼方に田中)」
「ともののもと (友の野本)」
「かいせのせいか (貝瀬のせいか)」
「らくだかおのおかだくら (らくだ顔の岡田蔵)“岡田蔵”という名の国語の先生がいらしたのです
「おかだのだかおー (岡田のだ、買おー)ちょっと苦しい
「いまいはいまい (今井はいまい)」
「ちばのばち (千葉のバチ)」

この絵本で気に入った回文はこの二つです。
「だんごむしむごんだ (だんごむし、無言だ)」
「さくらひとつぱっとひらくさ (桜一つぱっと開くさ)」

絵が気に入ったのはこの二つ。
「ありだくだりあ (アリ抱くダリア)」(ダリアとアリのそれぞれの目がなんとも言えません)
「かいこのこいか (カイコの恋か?」(これまたカイコの目に注目)

並べ言葉の絵もまた愉快です。
「さようなら  さらうなよ」
これを絵にできますか、みなさん。

早口言葉で思わず吹いてしまったのは、
「どじょうが どうどうと ちょうじょうに とうじょう」の絵です。

飯野和好氏は、こういう“ありえない系”というか、“意味ない系”の絵の天才ですね。

時々絵に添えられている模様のような不思議な文字、これも天才っぽい。
解読できると実にうれしいのですが、読めないと気になってもがきます。
一緒に悩んでいた息子はあきらめて、風呂へ行ってしまいました。


【しりとりあそびえほん】
のら書店 2002年4月発行
石津ちひろ 文
荒井良二 絵
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しりとりは、今まで何万回やったか知れませんが、こんな風にテーマを決めてやっていれば、もっと楽しめたのにと、今さらながら悔しいです。

「大きくなるしりとり」
のみ→みのむし→しょうりょうばった(スゴイ!)→たこ→こあら→らっこ→こぶら→らば→ばく→くじら

「小さくなるしりとり」
ぞう→ *ここは考えてみてね →はえ

「春・夏・秋・冬のしりとり」
「赤・白・緑・黄色のしりとり」

アイディアですねぇ。
そしてまた荒井良二氏の絵が非凡です。

しりとりが芸術に思えてきました。


【まさかさかさま】
河出書房新社 2007年10月30日発行 
文/石津ちひろ
絵/長 新太
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回文を読んで元気が出るって、ウソのようですがお試しください。
正確には、元気が出るというより、無駄な力が抜けて、心が軽くなる、という感じです。
それには、なんてったって、長新太氏の絵が効果抜群なわけです。

ちんぱんじいからかいじんぱんち

そうわかくないおいおいなくかわうそ

しにたいたにし

だめなからすやすらかなめだ

これらの回文を絵に出来るのって、この世にただ一人、長新太氏しかいないんじゃないでしょうか・・・
って、もう一人もいないってことですかね。

メチャクチャ愉快なんだけど・・・、やっぱり寂しいです。

(2009年8月書き加え)


【なぞなぞのたび】
フレーベル館 1998年10月発行
なぞなぞ→石津ちひろ
絵→荒井良二
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どうせ子ども相手のなぞなぞでしょ、と侮るなかれ。
一度解き始めてしまうと、最後の100問目まで行かずにはいられません。
たとえ途中、納得できないものが一つ二つあろうとも。

『それ、ほとんど答を言ってるでしょ』、というもの、例えば、
「くるくる じゆうに うごかせる
ボールのように まるい ちず
さて いったい なあに?」

左のページのなぞなぞの答が、右のページの絵の中に隠れている・・・
という説明があるのですが、「隠れている」ものはありませんね。
みんな堂々と存在していますよ。

このなぞなぞの答である「地球儀」さんは、朝礼台のそばにドーンと、しかも可愛く立っています。

『なるほど』、と膝をたたきたくなるなぞなぞもあります。
「あさには なくて
ひるに あらわれ
よるの あいだは ずっと いて
あさに なると また きえる
さて いったい なあに?」

この答を絵にするのは大変だったでしょうね。
他に描きようがありません。
答は「る」の字です。

さすが荒井良二氏、山の上に、何よりもでっかく太く、「」です。
難儀なことから目をそらさなかったという感じです。

納得できない、というと大人気ないのですが、ちょっと首をかしげたのが、
「さされるのって こわいはず
なのに じぶんから
すすんで さされたがるなんて
さて いったい なあに?」

答は「教室で手を挙げる生徒」とあるのですが、ここは、「生徒」ではなく「児童」の方がいいかも、です。
中学生ともなれば、もう充分「さされるのは怖い」はずですから。

「くちから あかい しずくを たらし
なにかを だいじに かかえてる
さて いったい なあに?」

これは最後まで答が出せなかったなぞなぞです。
プライドを捨てて答を見てみると、
「スイカにかじりつくヒト」

え~っ?
絵の中には、スイカを食べているスイカがいますけど…。

とにかく、こんな具合に、大人もマジにさせてしまう絵本であるということです。

(2011年9月 書き加え)

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