第331夜 【変なお茶会】

【変なお茶会】
絵本館 1979年9月発行
佐々木マキ
画像

一年に一度くらいの頻度で会う友人というのがいいなあと思うのです。
そういう友人を何人か持ちたいものだ、と思ったら、もう私の現状がそうでした。

一年どころか、つい先日は、十数年ぶりの友人にも会いましたし、危うく三十年ぶりという友人にも会ったりします。
三十年といったら、もう初対面のようなものと思われるかもしれませんが、全然違います。
昨日も学食で会ったような感じで、すぐに会話が滑り出し、そして自然でした。
一度“友人”として認知した人間ですから、何年のブランクがあろうと大丈夫なのでしょう。

そう考えると、一年に一度というのは、けっこう頻繁といえるかもしれません。
織姫・彦星への同情も、歳とともに少々希薄になってきたと感じるのは、そんな訳からでしょうか。

さて、絵本の話。
一年に一度、変な招待状に導かれ、“変なお茶会”に集う人々も、少しばかり“変”です。

ジャパン・ヨコハマから参加する Mr.カメタロウ オオイワは、電気自動車で出かけます。
町にはまだ人力車の姿が見えます。
いったい何時代のお話なんでしょうか。 明治?

ライプールの理髪師スミラ君は、ゾウに乗ってやってきます。
ライプールを検索しました。
「インド、チャッティスガール州、州都。」
驚いたのは、「夏の気温、39℃~50℃、冬の気温、12℃~32℃」
この温度の幅の広さに人間の体が対応できるということに。

ナントの公証人デュブウ夫妻は、自慢の飛行器で それからヤギで。
“ナント”といえば、世界史で習った“ナントの勅令”を条件反射的に思い出していましたが、“Tin Tin”を読んでからは、ハドック船長の口癖「ナント ナントの難破船!」の方が、記憶の引き出しの前に来ています。

ダブリンの外科医ワイルド先生。
ダブリンから来ていたALTに、ダブリンの公園の写真を見せてもらったときのことです。
公園の中を通っている車道の脇に、歩道、自転車道のほかに、もう一本レーンがあるのです。
いったい何が通行するためのもの・・・
馬か? 犬か?
正解は、ローラーブレードを履いた人。
心から「へえ~」という声を発した瞬間でした。

さて、この変なお茶会には、世界各地からユニークな人たちが、さまざまな交通手段で山を乗り越し、海を渡ってやってきます。
そうして、トランスバールの城の前で再会を喜び合い、暗い森を抜けて、すでに用意されているお茶会のテーブルにつくのです。
月が昇り、その時が来ます。
岩山から、天然のココアがわく!

ブラボー!と叫んでおいしいココアを味わったなら、
「ご機嫌よう お達者で また来年会いましょう」
と別れるのです。

こんな関係の友人ができるのは、少し長く生きているおかげです。
加齢バンザイ。

絵本のカバーをはずすと、ウグイス色の表紙に、さほど大きくはない黒い文字で“変なお茶会”と、縦書きしてあります。
カバーがあった時の絵本との印象のギャップ。

さらに、表紙を開けると臙脂(エンジ)色の空間。
紙の色見本で、この色とこの色の組み合わせは・・・なんてやった体験を思い出しました。
表紙のウグイス色と臙脂色の絶妙のコントラスト。

佐々木マキ氏のすることに間違いはありません。

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