第1383夜 【くまさんの おたすけ えんぴつ】

【くまさんの おたすけ えんぴつ】
BL出版 2012年7月10日発行
さく/アンソニー・ブラウン
やく/さくま ゆみこ
画像

二足歩行のクールなくまさんのバック、すなわち散歩の途中の風景を、まぁ見てください。
“不思議”ということばの後に、“デザイン”ということばが頭の中にわいてきます。

木がシャツとタイを着用しているかと思えば、地上なのに魚が!
どうやらこれらの魚は、大きな花の茎に、葉っぱのように生えています。
同じく、茎に靴の生えた花もあれば、唇が生えている花もあります。

花だって、カップの形のものもあれば、完全にかさでしょ、というものも。
どれもこれも大きくて色鮮やか、肉食植物を思わせます。

ぼんやりしていると、地面から生えている“指”やマッチ、電球を見逃しそうになります。

とにかく、実在からは程遠いあでやかな植物たちの生い茂る道を、無表情なくまさんが、えんぴつを一本持って、淡々とお散歩です。

帽子を深くかぶった二人のハンターが、くまさんを捕まえようとしますが、くまさんはちっともあわてず、何度も魔法のえんぴつで、スイスイと危機を逃れていきます。

なにしろ、このえんぴつは、描いたものが本物になるのです。

竹の檻に入れられても、のこぎりを描いて、余裕で脱出。
穴に落っこちても、えんぴつで描いた鳥の背に乗り、空高く飛んでいきます。

一部始終を見ている植物たちが、この舞台の観客のようで、とても表情豊かです。

もちろん、こんなえんぴつがあったらなあと、誰もが思うことでしょう。

アンソニー・ブラウン氏の絵本は、第547夜でも紹介しています。

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