第605夜 【たべたのだれ】

【たべたのだれ】
福音館書店 年少版こどものとも 通巻173号 1991年8月1日発行
写真・文 山口 進
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穴が開いていたり、丸く欠けていたり、葉脈だけを残して透かし状態になっていたりする葉っぱを見かけることはよくあります。
が、誰がそうしたのかを、具体的に想像したことはありませんでした。
ざっくりと、『虫が食べたんだろう』と思うだけで。

こうやって、実際にいろいろな虫や虫の幼虫が葉っぱを食べている写真を見せてもらうと、生命力のすばらしさを感じるのと同時に、知らなくてもよかったかも・・・と正直思いました。
なにしろ、虫は苦手なのです。
特に、イモムシ系はあんまりアップで、しかもクリアには見たくないわけなんです。

数々の虫に食べられちゃった葉っぱを、白黒逆のシルエットにして見ると、何の意図もなく作り上げられた自然の芸術作品にかなうものは無いようにも思えてきます。

【トマトの ひみつ】
福音館書店 かがくのとも 通巻305号 1994年8月1日発行
山口 進 文・写真
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確かに、トマトには独特のにおいがあります。
青臭いというのか、まさにトマトのにおい。
それは私にとっては、夏休みのにおいでもあります。

トマトの茎にはたくさん毛が生えていて、そこからにおいを発しています。
そしてそれは、虫たちを寄せ付けない効果抜群なのです。

絵本では、主人公はトマト、そして、かわいそうな脇役にクモがうまく使われています。
かわいそうなクモは、トマトの毛のなぞを知らずに、トマトの近くに巣を作って、虫がひっかるのを待っています。
しかし、いくら待っても虫はやってきません。

トマトが同情してつぶやきます。
「いくら待っても、ぼくたちトマトには、虫がやってこないってことに早く気がつけばいいのに。」

トマトに実がなって、やっとクモは気づきます。
そして、夜のうちにかぼちゃ畑へと引っ越しました。

不思議なにおいに守られながら、トマトは真っ赤に熟れていきます。

先日、姪の一周忌で、両親が茨城に住む弟の家にやってきました。
ほんの2泊家を空けるだけなのですが、ビニールハウスで野菜の苗を育てている父は、苗のことが心配なようでした。
その苗の中にはトマトもあります。

水遣り、ビニールの開閉、父にはこだわりがあります。
通常は、こんなに早く植えない苗を、誰よりも早く植えて世話をし、実を収穫することが父の生きがいなのです。
父にとって、苗は単なる植物ではなく、“生き物”なのです。

自分の親ながら、こだわり続ける姿はすばらしいと思います。
年老いて、思うように身体が動かないことに歯がゆさを感じながらも、愛情をこめて野菜を育てている父母が、これからもずっと健康で長生きしてほしいと思います。

【つくったの だれ? はやしの なかの げいじゅつか
福音館書店 かがくのとも 通巻348号 1998年3月1日発行
山口 進 文・写真
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“虫は自然の芸術家”シリーズです。

赤ちゃんのために葉っぱを巻いてゆりかごを作るオトシブミ。
トックリバチの、まさにとっくりのような巣。
卵を糸にぶら下げるクサカゲロウ。

蜂の巣は、それこそ緻密な芸術作品です。

いろんな虫たちのいろんな巣をずらりと並べて見せてもらえて興味深かったのですが、ページをめくったら、それを作った虫さんたちもずらりと並んでいて、あんまり長くは見ていられませんでした。
すみません。

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