第351夜 【ファンタス マゴリア デイズ】

【ファンタス マゴリア デイズ 1】
メディアファクトリー 2000年11月17日発行
たむらしげる
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三色刷りの魅力にノックアウトです。
色がたくさんあれば美しいというわけではないということを思い知ります。
少ない(白黒以外は一色)色がむしろ印象的で、“色”があることを意識させます。
物語ごとに、その色が違うのもシャレています。
まったくもって、その物語にピッタリの色なものだから、とてもcomfortable.

ページの色も。

登場するのはおなじみのフープ博士とロボットのランスロット。
いつものように見開きのページの大迫力と美しさは特筆すべき。
先ほど述べた“色”を味わうのも見開きのページの醍醐味であります。

クリスタルの道のエメラルドグリーン。
流星掘りのイエロー。
氷河竜のブルー。フライング・ログのグリーン。
キノコの森の化石化した船のブラウン。
星魚釣りの、エメラルドグリーンが引き立てるブラック。

やたらに横文字を使うのはポリシーに反するのですが、ここではあえて“黄色”や“茶色”ではなく、心に浮かんだカタカナ・カラーで表記しました。


【ファンタス マゴリア デイズ 2】
メディアファクトリー 2000年12月15日発行
たむらしげる
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フープ博士とランスロットの旅は続きます。
“1”よりもハードな冒険です。

今回も、大きな魅力の一つは“1”同様、“色”。

時の砂漠の山吹色。
カクタス・エアラインの黄緑。
海王の星のエメラルドグリーン。
ソープの明るいオーキッド。
地底の遺跡のレモンイエロー。
ガラスの海のスカイブルー。

〈ガラスの海〉
グラッシー オーシャンの豪華客船ディオーネにはフープ博士の奥さんが乗っています。
しかし、異なる時空を生きているフープ博士と手を取り合って懐かしく語り合うことはできません。
フープ博士が涙を流して泣いている姿は切ないです。
科学にはロマンが必ず寄り添うことを思い出させてくれました。

ちなみに、巻末にエッセーを寄せている北村薫氏の「スキップ」、「ターン」、「リセット」の三部作、好きです。


【標本箱 博物篇
架空社 1991年7月25日発行
たむらしげる
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「フープ博士の研究室は
世界中から集めた様々な動植物などの標本がうず高く積み重なり、
それがごちゃまぜになって 風化しつつあります。

そんな状態の標本の判別は非常に困難で
ある時などは猿の剥製と魚の尾とが自然に癒着してしまい、
たまたまそれを見つけた博士は人魚と間違えて学会に発表してしまったほどです。

その標本のさらに下の標本は重みで押し潰され化石化しています。
これはそんなコレクションの最新の標本です。」

贅沢な本だなあと思いました。
作家が作りたいように、つまり自分が楽しいと思って作ったんだろうなあと感じました。
そういうことができていいなあとうらやみました。
以上です。

(2011年9月 書き加え)

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