第336夜 【おばあ】
【かえる】
福音館書店 こどものとも年中向き 1988年7月1日発行
中西恵子 さく
特別に好きだとは思っていなかったのですが、気づいてみたら、我家にはけっこうかえるグッズがありました。
ガラス細工の小さなかえるがいくつか机の前の棚の上。
倉敷で買った真鋳のかえるが机の上。
木のかえる・土のかえるが本棚の本の上。
陶器のかえるがテーブルの庭園セットの砂の上。
マグネットのかえる6匹がコルクボードの上。
ちりめんのかえるはオルゴール。
コースターにもかえるの絵。
つい最近、息子(高三!)がビーズで作ったケロロ軍曹のキャラクターが電話の横。
これは今月の初め、秋田に帰省した時に、実家の田んぼの近くで写したかえるです。
何かの境地に至っているようなまなざし・たたずまいです。
こちらも同じく帰省の際に写したかえる、水中バージョンです。
大きさは、脚を伸ばすと20cm以上になるでしょう。
この絵本のモデル、ウシガエルでしょうか。
それにしては色が白い。
さすがは秋田のかえる。
絵本のかえるは迫力満点。
ちっとも怖がらない“のりおくん”、それどころか餌付けにチャレンジ。
ステキな王子様に変身するのを待っているのでしょうか。
男の子だけど・・・。
【たけし】
福音館書店 こどものとも 通巻411号 1990年6月1日発行
中西恵子 さく
雨降りの日、たけしはお兄ちゃんに遊んでほしいのですが、お兄ちゃんは本を読みたいのです。
たけしは何度もチャレンジしますが、お兄ちゃんは段々イライラしてきて、最後は兄弟げんかの始まりです。
二人の部屋を半分に仕切って、絶好宣言。
布団に入ってからもドタバタけんかをしてはお母さんにしかられます。
それでも、眠ってしまえば二人とも天使。
子どもというのはそういうものです。
【おばあ】
福音館書店 こどものとも年中向き 通巻76号 1992年7月1日発行
中西恵子 さく
おばあは産婆さんです。
かなりエネルギッシュな。
私が子どもの頃は、赤ん坊は自宅で産婆さんにとりあげてもらうのが普通でした。
5歳下の妹が、家の二階で生まれた時のことを、おぼろげながら覚えています。
私も弟も妹も、みんな同じ産婆さんのお世話になりました。
子ども心にも、産婆さんはとても神聖な仕事をしているのだと感じていました。
白い割烹着姿の、笑顔のやさしい産婆さんを、今でも思い出せます。
【ゆうだち】
福音館書店 こどものとも年中向き 通巻100号 1994年7月1日発行
中西恵子 さく
ある夏の日、たろうとじろうの兄弟は、学校からの帰り道、突然の夕立にあい、田んぼの中の物置小屋(表紙の絵)で雨宿りをします。
雷も鳴り出し、二人は汗びっしょりになり、怖いのを我慢します。
雨があがると、二人の目の前に、大きな池が出現し、おじいさんが一人、釣りをしています。
さっきまで田んぼだと思っていたのに・・・。
二人はパンツ一丁で、唇が紫色になるまで泳ぎます。
泳ぎ疲れて一休みすると、いつの間にか眠っていました。
犬のポチに起こされて見ると、二人の目の前には田んぼが広がっているばかりです。
池も、おじいさんの姿もありません。
夏の昼下がりの夕立、その前と後の時間では、世界がなんだか違っているような感じがしたものです。
夕立のなせる不思議な時間の区切りでした。
【ヘキサ、もりへいく】
福音館書店 こどものとも年中向き 通巻138号 1997年9月1日発行
中西恵子 さく
ハムスターのヘキサは、初めて外に出ます。
いい匂いに誘われて、森の奥へと入っていきますが、何者かにぶつかられたり、体当たりで木から落とされたり、なかなかすんなりとはいきません。
大きな木を上って、やっとたどり着いたいい匂いの源は、りんごの実でした。
同じようにりんごの実を食べようと集まったムササビ、シマリス、モモンガ、灰色リスたちと、おいしいりんごを食べます。
ムササビの背に乗せてもらい、ヘキサは無事に家に帰ります。
色鉛筆で丹念に描かれた森の様子、奥行きを感じます。
【きのこ きのこ きのこ】
福音館書店 こどものとも年中向き 通巻188号 2001年11月1日発行
中西恵子 さく
犬のポチを連れて、森にきのこを採りに行ったじろうは、赤くて大きなとんがりきのこと、黒くて、これまた大きなブヨブヨのきのこと遭遇します。
どちらも人食いきのこです。
一時は赤いきのこと一緒に、黒いきのこに飲み込まれてしまいますが、ポチが救出してくれます。
ポチはきのこのたくさん生えているスポットも発見し、大活躍。
じろうはきのこをたくさん持ち帰ります。
山に囲まれた土地で育ったので、きのこは日常的に食べていましたが、自分で採りに行ったことはありません。
たいがい祖父と祖母が山へ行って採ってきたものを食していました。
なめこは父が、自分たちが食べる分だけ栽培していました。
名も知らぬ数々のきのこをおいしくいただけたことを、今は亡き祖父祖母に感謝します。
【トチノキのひっこし】
福音館書店 こどものとも年中向き 通巻223号 2004年10月1日発行
中西恵子 さく
人間に切られてしまいそうになったトチノキを、仲良しのやまこぞうが、安全な池のほとりに引越しさせてやるというお話です。
と言っても、やまこぞうが運んでやるというのではなく、トチノキ自らが歩いて移動するのです。
根っこの生えたトチノキが、どうやって歩けるようになるか。
その秘策は、コウモリたちの協力なくしては実現しませんでした。
ある意味、コウモリ大活躍の絵本です。
山歩きがお好きという作者の思いがにじんだ絵です。
【じろう ひとりで でんしゃにのる】
福音館書店 こどものとも年中向き 通巻293号 2010年8月1日発行
中西恵子 さく
折り込み付録の「編集部だより」には、いつも「同感!」と思うことが書いてあるのですが、今回もまたそうでした。
「電車の旅の楽しみの一つは、次々と変化する車窓の風景にあります。
この絵本でも、窓枠に切り取られた風景が次々と変化して、わくわくする電車のたびの気分を思い出させてくれます。
そして、たまたま乗り合わせた人との出会いも、電車の旅ならではの楽しみ。
ー略ー
今は窓が開かない車両が多いのですが、この電車の窓からは、夏山の気持ちのいい空気が流れ込んでくるのが感じられます。
そして、彩り豊かな山のごちそうも。
そうした空気や色彩を、鉛筆で丹念に描いたモノクロームの画面が、カラフルな画面に負けず劣らず鮮明にイメージさせてくれているように思います。
色のないことが、かえって私たちの想像力を強く刺激してくれるのでしょうか。」
あー、私の言いたいことのほとんどを述べている感じです。
色がないということを忘れていました。
それはずっと色を感じていたということに他なりません。
人間の脳の再現力を信じてもらっているようで、気分がいいです。
待ちに待った夏休み、“じろう”は一人で電車に乗って、おじさんの家に遊びに行くことになりました。
田んぼや畑の間を縫うようにして電車が走っていくと、最初は大勢乗っていたお客さんが、電車が駅に停まるたびに減っていき、とうとう“じろう”一人だけになってしまいました。
電車は山の中に入っていき、鉄橋を渡ると長くて真っ暗なトンネルに入りました。
ひんやりとした風を感じて“じろう”が大きなくしゃみをすると、前の席に、いつのまにかおじいさんが坐っていました。
おじいさんはニコニコして、“じろう”がおじさんへのお土産に持ってきた饅頭とヤマモモを交換しないかと提案します。
“じろう”がいいとも言っていないうちから、おじいさんは窓の外のヤマモモをもいでいます。
そのおじいさんの様子が、妙におかしいのです。
走っている電車からどうやって?
そんなことを気にしている間にも、おじいさんはスモモとナツグミをどっさり採っています。
さらには、目にも留まらぬ速さで、クマイチゴも。
これだけ集められたら、“じろう”でなくても、交換を承諾してしまうでしょう。
“じろう”の差し出した饅頭をおいしそうに食べていたおじいさんが、饅頭をのどにつかえさせます。
“じろう”は水筒のお茶をふたに注ぎ、おじいさんに渡します。
おじいさんはお礼に、“じろう”にもう一つお土産をあげようと言って、電車が滝の裏を通る時に、アユをつかみ取りしてくれます。
電車の中からアユのつかみ取り・・・
さっきから、『もしかしてタヌキ? それともキツネ?・・・』と思わないでもなかったのですが、あまりに気のいいおじいさんに見えるので、化けてる路線は否定したいキモチだったのです。
電車が再び長いトンネルに入り、“じろう”はまたくしゃみをしました。
顔を上げるとおじいさんがいません。
“じろう”が不思議に思っていると、電車は目的の駅に着きました。
不思議なおじいさんとの出会いをおじさんに話すと、それは明神山の神様ではないかと教えてくれました。
裏表紙を見てニンマリです。
駅のホームの待合所のベンチの上に、“じろう”の水筒のふたが、ちょこんと置いてありました。
(Aug. 2010 書き加え)
福音館書店 こどものとも年中向き 1988年7月1日発行
中西恵子 さく
特別に好きだとは思っていなかったのですが、気づいてみたら、我家にはけっこうかえるグッズがありました。
ガラス細工の小さなかえるがいくつか机の前の棚の上。
倉敷で買った真鋳のかえるが机の上。
木のかえる・土のかえるが本棚の本の上。
陶器のかえるがテーブルの庭園セットの砂の上。
マグネットのかえる6匹がコルクボードの上。
ちりめんのかえるはオルゴール。
コースターにもかえるの絵。
つい最近、息子(高三!)がビーズで作ったケロロ軍曹のキャラクターが電話の横。
これは今月の初め、秋田に帰省した時に、実家の田んぼの近くで写したかえるです。
何かの境地に至っているようなまなざし・たたずまいです。
こちらも同じく帰省の際に写したかえる、水中バージョンです。
大きさは、脚を伸ばすと20cm以上になるでしょう。
この絵本のモデル、ウシガエルでしょうか。
それにしては色が白い。
さすがは秋田のかえる。
絵本のかえるは迫力満点。
ちっとも怖がらない“のりおくん”、それどころか餌付けにチャレンジ。
ステキな王子様に変身するのを待っているのでしょうか。
男の子だけど・・・。
【たけし】
福音館書店 こどものとも 通巻411号 1990年6月1日発行
中西恵子 さく
雨降りの日、たけしはお兄ちゃんに遊んでほしいのですが、お兄ちゃんは本を読みたいのです。
たけしは何度もチャレンジしますが、お兄ちゃんは段々イライラしてきて、最後は兄弟げんかの始まりです。
二人の部屋を半分に仕切って、絶好宣言。
布団に入ってからもドタバタけんかをしてはお母さんにしかられます。
それでも、眠ってしまえば二人とも天使。
子どもというのはそういうものです。
【おばあ】
福音館書店 こどものとも年中向き 通巻76号 1992年7月1日発行
中西恵子 さく
おばあは産婆さんです。
かなりエネルギッシュな。
私が子どもの頃は、赤ん坊は自宅で産婆さんにとりあげてもらうのが普通でした。
5歳下の妹が、家の二階で生まれた時のことを、おぼろげながら覚えています。
私も弟も妹も、みんな同じ産婆さんのお世話になりました。
子ども心にも、産婆さんはとても神聖な仕事をしているのだと感じていました。
白い割烹着姿の、笑顔のやさしい産婆さんを、今でも思い出せます。
【ゆうだち】
福音館書店 こどものとも年中向き 通巻100号 1994年7月1日発行
中西恵子 さく
ある夏の日、たろうとじろうの兄弟は、学校からの帰り道、突然の夕立にあい、田んぼの中の物置小屋(表紙の絵)で雨宿りをします。
雷も鳴り出し、二人は汗びっしょりになり、怖いのを我慢します。
雨があがると、二人の目の前に、大きな池が出現し、おじいさんが一人、釣りをしています。
さっきまで田んぼだと思っていたのに・・・。
二人はパンツ一丁で、唇が紫色になるまで泳ぎます。
泳ぎ疲れて一休みすると、いつの間にか眠っていました。
犬のポチに起こされて見ると、二人の目の前には田んぼが広がっているばかりです。
池も、おじいさんの姿もありません。
夏の昼下がりの夕立、その前と後の時間では、世界がなんだか違っているような感じがしたものです。
夕立のなせる不思議な時間の区切りでした。
【ヘキサ、もりへいく】
福音館書店 こどものとも年中向き 通巻138号 1997年9月1日発行
中西恵子 さく
ハムスターのヘキサは、初めて外に出ます。
いい匂いに誘われて、森の奥へと入っていきますが、何者かにぶつかられたり、体当たりで木から落とされたり、なかなかすんなりとはいきません。
大きな木を上って、やっとたどり着いたいい匂いの源は、りんごの実でした。
同じようにりんごの実を食べようと集まったムササビ、シマリス、モモンガ、灰色リスたちと、おいしいりんごを食べます。
ムササビの背に乗せてもらい、ヘキサは無事に家に帰ります。
色鉛筆で丹念に描かれた森の様子、奥行きを感じます。
【きのこ きのこ きのこ】
福音館書店 こどものとも年中向き 通巻188号 2001年11月1日発行
中西恵子 さく
犬のポチを連れて、森にきのこを採りに行ったじろうは、赤くて大きなとんがりきのこと、黒くて、これまた大きなブヨブヨのきのこと遭遇します。
どちらも人食いきのこです。
一時は赤いきのこと一緒に、黒いきのこに飲み込まれてしまいますが、ポチが救出してくれます。
ポチはきのこのたくさん生えているスポットも発見し、大活躍。
じろうはきのこをたくさん持ち帰ります。
山に囲まれた土地で育ったので、きのこは日常的に食べていましたが、自分で採りに行ったことはありません。
たいがい祖父と祖母が山へ行って採ってきたものを食していました。
なめこは父が、自分たちが食べる分だけ栽培していました。
名も知らぬ数々のきのこをおいしくいただけたことを、今は亡き祖父祖母に感謝します。
【トチノキのひっこし】
福音館書店 こどものとも年中向き 通巻223号 2004年10月1日発行
中西恵子 さく
人間に切られてしまいそうになったトチノキを、仲良しのやまこぞうが、安全な池のほとりに引越しさせてやるというお話です。
と言っても、やまこぞうが運んでやるというのではなく、トチノキ自らが歩いて移動するのです。
根っこの生えたトチノキが、どうやって歩けるようになるか。
その秘策は、コウモリたちの協力なくしては実現しませんでした。
ある意味、コウモリ大活躍の絵本です。
山歩きがお好きという作者の思いがにじんだ絵です。
【じろう ひとりで でんしゃにのる】
福音館書店 こどものとも年中向き 通巻293号 2010年8月1日発行
中西恵子 さく
折り込み付録の「編集部だより」には、いつも「同感!」と思うことが書いてあるのですが、今回もまたそうでした。
「電車の旅の楽しみの一つは、次々と変化する車窓の風景にあります。
この絵本でも、窓枠に切り取られた風景が次々と変化して、わくわくする電車のたびの気分を思い出させてくれます。
そして、たまたま乗り合わせた人との出会いも、電車の旅ならではの楽しみ。
ー略ー
今は窓が開かない車両が多いのですが、この電車の窓からは、夏山の気持ちのいい空気が流れ込んでくるのが感じられます。
そして、彩り豊かな山のごちそうも。
そうした空気や色彩を、鉛筆で丹念に描いたモノクロームの画面が、カラフルな画面に負けず劣らず鮮明にイメージさせてくれているように思います。
色のないことが、かえって私たちの想像力を強く刺激してくれるのでしょうか。」
あー、私の言いたいことのほとんどを述べている感じです。
色がないということを忘れていました。
それはずっと色を感じていたということに他なりません。
人間の脳の再現力を信じてもらっているようで、気分がいいです。
待ちに待った夏休み、“じろう”は一人で電車に乗って、おじさんの家に遊びに行くことになりました。
田んぼや畑の間を縫うようにして電車が走っていくと、最初は大勢乗っていたお客さんが、電車が駅に停まるたびに減っていき、とうとう“じろう”一人だけになってしまいました。
電車は山の中に入っていき、鉄橋を渡ると長くて真っ暗なトンネルに入りました。
ひんやりとした風を感じて“じろう”が大きなくしゃみをすると、前の席に、いつのまにかおじいさんが坐っていました。
おじいさんはニコニコして、“じろう”がおじさんへのお土産に持ってきた饅頭とヤマモモを交換しないかと提案します。
“じろう”がいいとも言っていないうちから、おじいさんは窓の外のヤマモモをもいでいます。
そのおじいさんの様子が、妙におかしいのです。
走っている電車からどうやって?
そんなことを気にしている間にも、おじいさんはスモモとナツグミをどっさり採っています。
さらには、目にも留まらぬ速さで、クマイチゴも。
これだけ集められたら、“じろう”でなくても、交換を承諾してしまうでしょう。
“じろう”の差し出した饅頭をおいしそうに食べていたおじいさんが、饅頭をのどにつかえさせます。
“じろう”は水筒のお茶をふたに注ぎ、おじいさんに渡します。
おじいさんはお礼に、“じろう”にもう一つお土産をあげようと言って、電車が滝の裏を通る時に、アユをつかみ取りしてくれます。
電車の中からアユのつかみ取り・・・
さっきから、『もしかしてタヌキ? それともキツネ?・・・』と思わないでもなかったのですが、あまりに気のいいおじいさんに見えるので、化けてる路線は否定したいキモチだったのです。
電車が再び長いトンネルに入り、“じろう”はまたくしゃみをしました。
顔を上げるとおじいさんがいません。
“じろう”が不思議に思っていると、電車は目的の駅に着きました。
不思議なおじいさんとの出会いをおじさんに話すと、それは明神山の神様ではないかと教えてくれました。
裏表紙を見てニンマリです。
駅のホームの待合所のベンチの上に、“じろう”の水筒のふたが、ちょこんと置いてありました。
(Aug. 2010 書き加え)










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