第1695夜 【野ねずみきょうだいの草花あそび】

【野ねずみきょうだいの草花あそび 初夏から秋まで】
福音館書店 2021年5月20日発行
相澤悦子 さく
長谷川直子 え
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‶一服の清涼剤”という表現が頭に浮かびました。

初夏のさわやかな風が吹く日、
野ねずみきょうだいが「役に立つ草」を集めに行く、とあったので、
てっきり薬草か何かを採りに行くのかと思いました。

ところが、このかわいいねずみたちにとって「役に立つ」というのはそういうことではなく、工作の材料として「使える」ということなのでした。

野ねずみのきょうだいが、草花や実を使って何かを作ります。

出来上がったものは“実用”という点では高得点にはならないでしょうが、
ふっと心を和ませるという点においては、まさにプライスレスなのでした。

エノコログサで等身大(?)のねずみやウサギを作ったり、
ドクダミの花を天使に変えてしまったり。
オシロイバナの花を逆さにしてかぶった六匹のなんとキュートなこと!

これらの工作は、あくまで絵本の絵の上でのこと、と思ったら、
本の後半に、実際の作り方や、実物の写真がありました。
これが、絵のとおり!
というか、実物あっての絵だったのですね。

小さな自然で遊ぶことから、なんて豊かな世界が広がるのでしょう。

ちなみに、この六匹の野ねずみのそれぞれに名前はついていません。
「主人公は野ねずみたちだけではなく草花、そしてクラフトなんですよ」
そんなメッセージのような気がします。

工作の手順を小さな野ねずみたちがガイドしていくというアイディアに拍手。
やさしい絵にも、月並みな言い方ですが、癒されます。

日常的に残念なニュースを見聞きすることが多い昨今、
こういう絵本が必要です。

絵本の処方…
そういう発想が広がらないかなあと思っています。



















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