第1676夜 【さあ おいで こどもたち】

【さあ おいで こどもたち】
福音館書店 ちいさなこどものとも 通巻229号 2021年4月1日発行
小風さち ぶん
しもかわら ゆみ え
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NHKの恐竜CG番組「恐竜超世界」に、
ニコという恐竜(デイノケイルス)が登場します。

ニコは幼い頃にタルボサウルスの襲撃に遭って仲間を殺され、
ずっと孤独に生きています。

雄のデイノケイルスと出逢って繁殖、産卵。
多くの卵が孵り、独りぼっちだったニコに家族ができた時には、
CGとは知りつつ、テレビのこちらから、
「よかったね、ニコ」
と声をかけずにはいられませんでした。

ニコの後を、ヒナたちが一列でついていく様子は、
まるでこの絵本のカルガモの親子と一緒でした。

鳥の祖先が恐竜であるということが、よくわかります。

子どもたちに、生きていくための術を教える時間が、
ニコには充分にありませんでした。
またしてもタルボサウルスが襲ってきたのです。

子どもたちを守るため、獰猛なタルボサウルスに果敢にいどんでいくニコ。
捨て身の親の愛です。

やはりテレビの前で、ニコに激しく声援を送りましたが、
それもむなしく、ニコは息絶えます。

「ニコ――っ!」
なんと短い家族の時間だったことでしょう。

親を失ったヒナたちが、どうかたくましく生き延びますようにと、
手を合わせて祈りました。


絵本の中のかわいいカルガモの子どもたちは、
お母さんの言うことを聞きながら池を泳いで渡り、
コイやカメとの程よい距離のとり方を学びます。

途中、おなかをすかしたカラスが襲ってきますが、
お母さんカルガモは見事に威嚇し、カラスを退散させます。

池を渡り終えたヒナたちが浅瀬の水草を食べている姿を見て、
『ニコの子孫たちよ、君たちもたくましく生き抜いてくれ!』
と思いました。


小風さちさんの絵本は、第138夜、第142夜、第143夜、第1560夜、
第1662夜でも紹介しています。















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