第1664夜 【白い花びら】

【白い花びら】
岩崎書店 2017年2月28日発行
やえがしなおこ 文
佐竹美保 絵
shiroi hanabira.jpg
私にはよくあることですが、〝表紙に一目ぼれ”でした。

おととしの今頃、秋田の実家で両親と過ごした時、
気晴らしに町の図書館に通いました。
児童書の充実ぶりは大変喜ばしかったのですが、
いつ行っても人が一人二人しかいませんでした。
館内全体にです。

人口が少なく、老人の多い地域ですから無理もないとは思いつつ、
やはりさみしいものでした。

そんな空間で、出会ったのがこの本です。

三月はまだ〝冬”に属する私の田舎。
桜を見るまではまだまだ待たなければなりません。
そんな時に見かけたこの表紙の桜はとても印象的で、
明るい春の到来を約束してくれているようでした。

絵本と言うよりは、豊富な挿絵の入った読み物です。

少し引っ込み思案な少年〝ゆうた”が、
友だちの後についていった林の中で、見知らぬ女の子と出逢います。

次に一人で訪れると、再び女の子を見かけます。

女の子と岩にまたがった〝ゆうた”は、気づけば馬に乗り、
どこまでも続く大草原を駆けていました。
先を行く女の子の馬から、花びらが雪のように降ってきます。

目を開けると、〝ゆうた”は岩の上に一人で座っていました。

後日、再び友だちと林の中に踏み入ると、
そこには一本の桜の木が花をいっぱいに咲かせていました。

女の子が立っていた場所です。

――またね。また会おうね。

降り注ぐ花びらの下に立つ〝ゆうた”の耳に聞こえたような気がしました。

桜の絵だけではなく、林や草原、空に向かっている大きな岩、など、
どの絵も美しく、凛とした印象です。
佐竹美保さんという優れた挿絵画家を、改めて認識しました。

明日あたり、今年の桜は満開でしょう。
まだ雪の残る田舎を思いながら、桜並木の下を歩こうかと思います。

















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