第1662夜 【とのさまがえるに はるがきた】

【とのさまがえるに はるがきた】
福音館書店 こどものとも年中向き 通巻372号 2017年3月1日発行
小風さち さく
山口マオ え
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静かな土の中、生きものたちが眠っています。
外はまだ冬。

一匹のとのさまがえるが動き出します。
「ああ、寝た 寝た。 たっぷり寝た。
 こんなにたっぷり寝たからには、地上は春に違いない」

とのさまがえるは土を押し分け、かき分け、はい出します。
ところが外は真っ白、どんと雪。

「なんてこった!」
と震えながら土の中に逆戻り。
慌ててまた目を閉じましたが、もう眠れません。

向きを変え、また向きを変え、何日も過ぎました。

眠れない夜、ゴロゴロとむやみに寝返りをうつ辛さはわかります。

そうこうしていると、
まいまい(カタツムリ)やら、赤腹イモリやら、ウシガエルが、
地上へと移動を始めます。

それを見るたび、
「はやまるな! 地上はまだ冬だ!」
と止めますが、彼らは聞かず、土の中から出ていきます。

「おれは見た!」
というのがとのさまがえるの自信の源です。
でもそれって何日前のこと?

人(かえる)は思い込みをすると、
そこで時計を止めてしまうのかもしれません。

かたくなな思い込みに、自分自身が縛られている人って、
身近に意外といるような気がします。
年をとると特に…

自分にもその恐れがないとは言えません。
とのさまがえるの教訓を胸に、
心の硬化をできるだけ防ぎたいと思います。

小風さちさんの絵本は、第138夜、第142夜、第143夜、
第1560夜でも紹介しています。
山口マオさんの絵本は、第143夜、第147夜、第1092夜、
第1626夜でも紹介しています。
お二人は、「わにわに」シリーズ、「あむ」シリーズの生みの親です。














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