第1654夜 【ライフタイム】

【ライフタイム】
いきものたちの一生と数字
ポプラ社 2015年6月発行
ローラ・M・シェーファー ぶん
クリストファー・サイラス・ニール え
福岡伸一 やく
life time.jpg
生徒というのはテストの後、大変「平均点」を気にします。
目安としては有効な数字ではありますが、
たとえば、平均点が40点で、自分が42点なら、
『やったー!平均点超えてる!』と、安心してしまうのが生徒です。
しかし教師からすると、『とれなかった58点の方を気にしてね』
という思いでした。

さて、この絵本、「平均」が興味深い事実を教えてくれます。
作者のローラ・M・シェーファーさんも、
「平均」がこの本に必要だった〝なぞとき”だと言っています。

実際は、同じ生き物でもそれぞれの環境や体質などの違いで、
多少の差があるはずです。
でも、綿密な計算で示された「数字=平均」は、貴重なデータであり、
興味をそそります。

子どもの頃、家の裏に群生していたアヤメの細い葉っぱの中に、
ねじれているものを見つけると、
その中には決まって、綿菓子のようなクモの卵を包んだ袋がありました。

その時は何とも思いませんでしたが、
この絵本によると、
クモは一生の間、この袋を1つだけ作るというのです。

子どもだった自分に、「そういうことなんだよ」と教えてやりたいです。

驚いたのは、
「一生の間に、カンガルーのメスは50匹の赤ちゃんを産みます」
というデータ。

さらに、
「一生の間に、ワニのメスは22個の巣を作り、550個の卵を産みます」

そして、
「一生の間に、オスのタツノオトシゴは1000匹の赤ん坊をおなかの中で育てます」

それぞれの絵がまた何とも言えず、かわいらしくもあるのですが、
その数字のすさまじさを巧みに伝えてくれます。

絵本の構成としては、
子どもでもわかるように、大きな見開きの絵に一種類の動物を紹介し、
文章はまるで詩のように、余計なことを述べずにわかりやすく、
詳しい説明は、最後にまとめて載せてあります。

絵もいいんです。

訳者あとがきで、福岡伸一さんが問いかけます。
「一生のあいだに、きみは何をどれくらいすることになるかな。
 それはほかのいきものにどんな影響をあたえるかな。
 ちょっと考えて、数えてみよう。」

私の場合「これから」よりも「今まで」を振り返ることになりそうですが、
「他の人に」なら少しは考えられそうでも、
「他の生き物に」となると、どこからどう考えていいのか、
とっかりどころがわからず、ボワボワしています。











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