第1650夜 【ゆめみのえ】

【ゆめみのえ】
福音館書店 こどものとも 通巻779号 2021年2月1日発行
山村浩二 作
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読み始めて二枚ページをめくったところで、
『あれ、枝にぶら下がっているこのおサルさんたちに見覚えがあるぞ』
となりました。

正確には、その時すぐに、『切手のあのおサルさんたちだ』と思ったのです。
2019年発行の「動物シリーズ第2集」
福岡市博物館所蔵 鍬形惠斎 「鳥獣略画式」より

おサルさんたちだけではありませんでした。
カエルもキツネも、そしてタカも、切手の図案になっていました。

作者のことをよく知りもせず、
この切手を貼ったはがきを何人もの人に送りました。

あの時知っていたなら、はがきにきっと書いたでしょうに。

動物を描こうと観察しているうちに、その動物とすっかり同化し、
タカになって空を飛んだり、
コイになって水の中を泳いだりしたケイサイさんのお話を。

夢の中でコイになって泳いでいると、釣り人に釣り上げられ、
ケイサイさんは魚屋に売られます。
そうして、お城のまな板の上で料理人に包丁でさばかれそうになります。

「やめてくれ~」

音読している私もすっかりケイサイさん(コイ)に同化していました。

夢から覚め、危機一髪でコイを救い出したケイサイさんは、
コイを川に逃がしてやります。

「ゆめか うつつか、
 それにしても あのまないたの
 つめたかったことよ……」

コワおもしろいお話でした。
【雨月物語】を下敷きにしているとのこと。
なるほど。

少ない線で、動物たちが生き生きと描かれている絵ですが、
少ない線であればあるほど難しいのではなかろうかと想像します。

折り込み付録の「作者のことば」に山村浩二さんが書いています。

「いざ模写してみると、一見単純な線が、
 動きと立体感を絶妙に捉えていることに気づかされました。」

筆を紙におろす瞬間とか、線を引いたりする時の潔さを思い、
ため息が出ます。
そこに至るまでのことを思うと、なおさら深いため息になります。


余談ですが、
少ない線ですっきりした絵(対象は動物ではありませんが)と言えば、
先ほど読んだばかりの矢部太郎さんの【ぼくのお父さん】もなかなかでした。

山村浩二さんの絵本は、第479夜、第1265夜、第1283夜、第1378夜、第1379夜、第1579夜、第1609夜でも紹介しています。













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