第1570夜 【ほしじいたけ ほしばあたけ】

【ほしじいたけ ほしばあたけ】
講談社 2015年9月9日発行
石川基子
画像

アンチエイジングなんちゃらに心騒がされている方々への推薦図書に勝手に認定いたします。
対象年齢、58歳以上。
しわ、たるみが気になっている方は特に。

夫婦仲についてお悩みの方にもいいかもしれません。


〝ほしじいたけ”と〝ほしばあたけ”は、干しシイタケの夫婦です。
キノコ村のはずれ、榾木の里に住んでいます。
二人が一番好きなことは、日向ぼっこ。
一番嫌いなことは、水にぬれることです。

村にはいろんなキノコが住んでいます。
若いキノコたちの悩みを聞いては、「まあまあ」、ケンカの仲裁をしては、「まあまあ」
穏やかな生活を送っています。

ある日、裏山に薪を拾いに行った〝ほしじいたけ”は、崖の下に落ちてしまった子ども(タマゴタケ)を見つけます。
「こりゃ たいへんじゃっ!」
と言うが早いか、〝ほしじいたけ”はためらいもせず崖から飛び降ります。

ほうあっ!
大きな傘を利用して落下していく〝ほしじいたけ”のかっこいいこと。

足をくじいたタマゴタケの応急処置を済ませると、おんぶしてやろうとするのですが、自分が軽すぎてひっくりかえってしまいます。
残念な老いの姿ですが、これも見ておかないと…。

さっき舞い降りてきた崖を登っていくのは難しいと判断した〝ほしじいたけ”は思案の末、湧き水にそろりと浸かりました。

するとどうでしょう?!
水を吸った干しシイタケ、いや、〝ほしじいたけ”はプルンプルンの若者の姿に!

若返った〝ほしじいたけ”はタマゴタケを背負って崖を登っていきます。
もう少しというところで息が荒くなってきたのは、若返った力は長持ちしないからでした。
ううう…

その時です。
「じさまっ!
すけだちに まいりましたぞい。」

崖の上から、同じく水に浸かって若返った〝ほしばあたけ”がツルを投げおろしてくれたのです。

ツルに巻き付けたタマゴタケを、
ふおうりゃあああっっっ
ぶん!
と釣り上げた〝ほしばあさま”を見て、
「さすが ばさま。 娘っ子の頃、〝怪力おたけ”と呼ばれていただけのことはあるのう…。」
と、〝ほしじいたけ”は見とれてしまったのでした。

無事救出が終わると、二人は急いで日向ぼっこをし、もとの姿に戻りました。
心配するキノコの仲間たちに囲まれ、二人がつぶやきます。

「やれやれ ばさま、ばさまに もどれて よかったのう。」
「ほんに じさま、じさまに もどれて よかったのう。」

若くてつやつやの二人もかっこよかったんです。
でも、本人たちがしわしわに戻れたことを心から喜んでいるのを見ると、この価値観がうらやましくなりました。

夫婦そろってしわしわになって、一番好きなのが日向ぼっこという生活、いいではないですか。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック