第1579夜 【森の舞台うら】

【森の舞台うら】
福音館書店 たくさんのふしぎ 通巻397号 2018年4月1日発行
松浦陽次郎 文
山村浩二 絵
画像

舞台は〝森”です。
観客は八人の小さな子どもたち(後ろ頭しか見えません)。
幕が開くのを、体育座りでお利口に待っています。
私もその中の一人になって、森という舞台と、その裏を楽しむことにしましょう。

森の主役は植物、とくに樹木です。
木々の葉は太陽の光を受け、空気の中の二酸化炭素を取り込んで、植物の体の元になる有機物を作り出します。
光合成です。
そうしてできた有機物は、植物自身を成長させるだけでなく、森に棲む動物たちも養います。
森の生き物たちは、植物の作った養分を中心につながりあって生きているのです。

でも、木を育てるのは空気と太陽の光だけではありません。
大切なのは「土」です。
豊かな土を作るために活躍する裏方さんが紹介されます。
落ち葉を分解する裏方さんの代表、ミミズ、ヤスデ、ダンゴムシ、トビムシ、ササラダニ、そして菌類のハナオチバタなど。

字面だけだとマイナーなイメージを持ってしまうかもしれませんが、山村浩二さんの擬人化のおかげで、ちっともイヤだと思わないのです。
擬人化は虫や菌だけではありません。
「砂」、「粘土」、「水」、さらには各種「フン」までも、かわいい妖精のように描かれています。

「みんなをくっつける裏方さんたち」→生き物のフン
「木に養分を届ける裏方さんたち」→菌と水
「葉で有機物を作る裏方さんたち」→空気(二酸化炭素)、太陽(日光)、雲(雨や雪)

森という素晴らしい舞台ができるのには、数十年、百数十年という年月がかかります。
驚くべきことに、森を支える土が出来上がるまでは、森ができる時間よりも長い時間が必要だといいます。

こうしている間にも、森の裏方さんたちは一生懸命舞台づくりをしています。
観客である私たちは、せめてその邪魔をしないようにしなければと思いながら、舞台に向かって拍手を送ります。

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