第1563夜 【ひよこは にげます】

【ひよこは にげます】
福音館書店 こどものとも年少版 通巻493号 2018年4月1日発行
五味太郎
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日本語を熱心に勉強しているALT(語学指導助手:外国人)たちに、よく質問されたものでした。

「~は」と「~が」はどちらも主語を表す助詞ですが、どう使い分けるのですか?

国語の先生に SOS を発したことも何度もありました。
が、彼らが膝を叩いて、「なるほど!」という応答をした記憶がありません。
つまり、うまく説明できないのです。

我々日本人は、「は」と「が」を、それほど無意識に(そしてみごとに)使い分けているということです。

この絵本のタイトルは、【ひよこ にげます】。
【ひよこ にげます】ではダメなのです。

ひよこというものは逃げるものなんですよ…という意味合いが、「は」によって伝わるわけなんです。
「が」だと、今一時の事かもしれません。
【きんぎょが にげた】は一種の事件でした。
それに対して、「は」は普遍的です。

その効果が、この絵本の魅力、というか、威力のような気がします。

「ひよこというものは逃げるものだ」 という発想は、様々な場面にあてはまりすぎて、こう思うことによって世の中のお悩みの三分の一くらいは解決するんじゃないかと思えるほどです。

子どもというのは親の言うことをきかないものです

生徒というのは先生に反抗するものです

親(主に90歳以上)というものは子どもの思う通りにはならないものです

私自身、ううむ…と煮詰まった時に、
「ひよこは にげます」的発想で、自分の心の中の葛藤に何度も折り合いをつけてきました。


今度ALTに質問されることがあったら、この絵本を見せてあげようかしら。
文法の話にとどまらなくなりそうですけれど。

五味太郎さんの絵を見ながらだったら、無駄に重い話にはならずに済む気がします。

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