第1499夜 【しずかで にぎやかな ほん】

【しずかで にぎやかな ほん】
童話館出版 1996年9月7日発行
さく マーガレット・ワイズ・ブラウン
え レナード・ワイスガード
やく 谷川俊太郎
画像

「しずかで」
「にぎやか」
という矛盾するような状況が、絵本を読んでいくうちにどんどん自然なものに思われてきます。
そして最後には、The Quiet Nosy Book 【しずかで にぎやかな ほん】というタイトルがあまりにもしっくりくることにため息をつくのです。


ちっちゃな仔犬のマッフィンが夜中に何かの音で目を覚まします。
とても静かな音。
なんだろう?

「アリがはってる?
ハチがびっくりしてる?」

マッフィンの想像を、私は一つ一つどんな音かと心の中で検証します。

「階段を ゾウが つま先立ちで 降りてくるのかな?」

「ちがうよ」

あれ、「ちがうよ」って言っているのは誰?
この想像はマッフィンのものではなく、「絵本」が読者に問いかけ、否定しながら導いていく流れなのでしょうか。

「~なのかな?」
「いいえ」

この繰り返しを音読しているうちに、ひとりでに二役の声になっていました。

それにしても、思いもよらない「音」ばかり。
普段眠っている脳の一部が呼び覚まされるようです。

そうして、きっぱりと短い否定。
音読の醍醐味が充分味わえます。

「バターが 溶けてゆくのかな?」
「ちがうね」

「小さな 青い花が 咲きかけてるのかな?」
「いいや」

「ネズミが ためいきついてる のかな?
「いいえ」

「さかなが 息をしてるのかな?」
「いや」


音読のリズムを支え、幸せな気分をより一層高めてくれるのが、ダイナミックで色鮮やかな絵です。
色の数が少ないからか、「精選されている」という印象で、安心感を覚えます。


後半の「しずかで にぎやかな」音たちは、緩やかに「新しい 一日」へとつながっていきます。


「しずかで にぎやかな」音を感じられる心の持ち主でいたいと思います。

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