第1349夜 【ちょっとだけ まいご】

【ちょっとだけ まいご】
BL出版 2014年7月20日発行
作・クリス・ホートン
訳・木坂 涼
画像

高い木の上でまどろんでいた(眠っていた?)ちびフクロウが、すとーん とん ことん!と木から落ちてしまいます。

すぐに駆け寄ったのはリスです。

「ありゃりゃ、
おまえさん だいじょうぶかい?」


この口調に、音読しているこちらは一気に楽しくなります。

落っこちたちびフクロウは、ただちに自分を迷子だと自覚します。

「ぼくの ママ どこにいるの?
どこか いっちゃった」


親とはぐれた子どもというのは、自分が親から離れてしまったとは思わないんですね。
親が自分から離れたんだという発想、覚えがあります。
息子の小さい頃が思いだされました。

おもしろいのは、ちびフクロウがはっきり“ぼくの ママ”と言っているのに、リスは、
「だいじょうぶ だいじょうぶ。
おいらが かあちゃんを みつけてやるから
しんぱいするなって。」

と、ず~っと「かあちゃん」で通すことです。

かあちゃんはどんな感じかとリスに聞かれて、ちびフクロウが説明すると、リスは思い立った動物のところへちびフクロウを連れていきます。

大きいと聞くと、クマのところへ。
耳がとんがっていると聞くと、ウサギのところへ。
そして、目が大きいと聞くと、カエルのところへ。

小さな絵本なのですが、リスがちびフクロウを引き連れて、左から右へ、右から左へと駆けていく躍動感がたまりません。

そして、トンチンカンな動物を指さしては、
「ほらね いただろ?
きみの かあちゃんだ」

と、自信たっぷりに言うのです。

指さされているクマやウサギやカエルのとぼけた表情!

カエルが挙手して発言します。
「あんのー、ちょっと いいですか?
きみの かあちゃんのことなら
ぼくが わかると おもいます」


あ~、音読は楽しい!と思えるキャラクターたちをありがとう。(作者さんへ)

カエルのおかげで、ちびフクロウはママとの再会を果たします。
改めて見ると、確かにママは大きくて、耳がとんがっていて、目が大きい!

フクロウのお母さんはお礼に、リスとカエルにビスケットをごちそうします。
高い高い木の上のフクロウのおうちで、リスたちがビスケットを食べていると、端っこにいたちびフクロウが、ママ探しで疲れたのか、うとうとしています。

かなり傾いたところで、
おっ おー!

フクロウのママ、カエル、リスの大きな目!!
『ま、またか?!』
の声が聞こえそうです。
何としゃれた終わり方でしょう。


ブックデザインということばがぴったりの絵本だと思います。
板目のように厚い紙も、「これじゃなきゃね」と思わせます。

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この記事へのコメント

自称幽霊
2015年05月22日 17:35
本の角が丸くなってるのも良いなぁ

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