第1346夜 【かしこいビル】

【かしこいビル】
ペンギン社 2003年4月 発行
さく ウィリアム・ニコルソン
やく まつおか きょうこ
   よしだ しんいち
画像

美術館や博物館を訪れた際は、音声ガイドを利用することにしています。
“目”には、作品を鑑賞することだけをさせたいのです。
添えてある説明の文も読むとなると、“目”の負担が大きくなります。
そのうち、説明文を読むのが面倒になり、作品の肝心なポイントを知らないまま、サーッと過ぎていく…ということになりかねません。

解説や説明は有効です。

この絵本の《解説》はそのよい例です。

ストーリーとしては、メリーがおばさんの家に招待され、何を持っていくか迷いながら準備をして出発をしたものの、兵隊の人形ビルを忘れていき、ビルは走って追いつく、というシンプルなものです。

絵にも複雑なものを認めないまま読み終わり、最後の解説を読んで、自分の読みの甘さを恥ずかしく思いました。

3ページ、おばさんからの手紙の上に、ビルが立っています。
『なぜ?』という気持ちのまま、読み進みました。
それが、解説によると、
「ビルは、だれよりもドーバーの白いおうちに行きたかったらしく、その気持ちは、3ページで招待状が開かれたとき、いちはやく文鎮のように手紙の上に直立している…」
ということなのです。
おぉ、そうだったのか!

メリーが、おばさんのうちに持っていくものを選別していきます。

あし毛のアップル(木の馬のおもちゃ)、毛皮の着いた手袋、スーザン(人形)、笛、靴、ティーポット、名前の付いたブラシ…

「それから、もちろん かしこい ビルは おいていくわけには いかないし、」
このページには、腕を前にして座っているビルがいるのですが、解説を読まなければ、大切な動作を見落とすところでした。

「『もちろんかしこいビルはおいていくわけにはいかない』というメリーのことばを聞いて、思わずシンバルを打ち鳴らす…
シンバルの周囲の黄色い放射線が、その響きをよく伝えているではありませんか。」

よく見ると、その通りです!

「そのビルが、こともあろうにおいてきぼりをくうとは!
涙の中から決然と立ち上がって追いかけるビル。
その懸命な力走ぶりは、18ページ以下、ビルの姿がどんどん小さくなっていくところに示されています。」


この解説の、何とすぐれていること!と最も感じたのは、次の指示を読んだ時です。
「タイトルページの絵は、19ページの次に入れて読むといいでしょう。」

この解説は、訳者である松岡享子さんと吉田新一氏によって書かれたものですが、絵本を読むというのはどういうことかということを教えてくれます。
それに加え、どんなに集中して読んでも、永遠に気づくことができなかったであろう情報も提供してくれます。

おばさんが手紙を書いている部屋の壁にかかっている絵が、ビクトリア女王であることを、解説なしで気づく人がどれだけいるのでしょう。

《解説》のついた翻訳版を読めて幸せです。

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この記事へのコメント

Arleen
2018年05月08日 21:39
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