第1291夜 【ぶんぶくちゃがま】

【ぶんぶくちゃがま】
ミキハウス 1987年11月20日発行
井上洋介 絵
筒井敬介 文
画像

ぶんぶくちゃがまのお話を読んだのは実に久しぶりです。
そんなわけで、お話の筋を、ちゃんと記憶していませんでした。
茶釜に化けた狸が、お湯を沸かされアッチッチで逃げていった、という断片しか覚えていなかったのです。
こうして読み返してみると、じんべえさんという人情家あってのお話なのでした。

じんべえさんは古物を売る仕事をしているようですが、自分の儲けなどなんのその、売れないとわかっているガラクタまで買ってきます。

ある日、女の子が男の子たちにいじめられているのを見て、じんべえさんは男の子たちにどなります。
「こらあ。
おんなのこを いじめるやつは、ねしょんべんするぞ」

こうして助けられた女の子は、実はタヌキでした。
和尚さんがじんべえさんに、いい茶釜を探していると言っていたのを知っていたタヌキは、助けてもらったお礼に、茶釜に化けて、和尚さんのところへ売られていきます。

何も知らない和尚さんは、湯を沸かそうと、火の上に茶釜をかけました。
お湯が沸いてくると、タヌキは我慢ならなくなり、元の姿に戻ってじんべえさんのもとへ逃げ帰ります。

和尚さんは怒って追いかけ、じんべえさんに、払ったお金以上の払い戻しを請求します。
なけなしのお金を払ったじんべえさんは、いらぬ策を弄したタヌキを恨むどころか、おなかにやけどを負ったタヌキを手厚く看病してあげます。

傷も癒えたタヌキとじんべえさんは、町へ引越し、見世物小屋を開きます。
じんべえさんの笛に合わせて、タヌキが玉乗り、綱渡りなどの軽業をするのです。
二人のショーは大成功。
貧乏だったじんべえさんも、少しはお酒が飲めるようになりました。

そんなじんべえさんの横で三味線の稽古をしているのは、あの女の子。
ああ、こんなハッピーエンドのお話だったんですね。
二人に平和な時間が訪れたことを、本当にうれしく思います。


欲というものがまったくないじんべえさん。
どんなに貧乏でも卑屈になるどころか、お月様に自分が竹で作った笛を吹いて聞かせては気持ち良くなっているようなのんきもの。
このようでありたいなあと、ほんのり憧れます。

そんなじんべえさんが、なんとも生き生きと描かれています。
一枚の絵にも、じんべえさんの全人格がにじみ出ている…そういっても過言ではありません。
ガラクタに囲まれていても、幸せそう。
これが「豊かな暮らし」というものかもしれないと思うのでした。

じんべえさんだけではなく、欲深の和尚さんにしても、それから、見世物小屋にに集うその他大勢の人々にしても、一人一人が、泣いたり笑ったり、それぞれの暮らしを持つ “ひと” なのだと感じさせる井上洋介氏の絵に、改めて惚れ直します。
もっともっとたくさんの日本の昔話を、井上洋介氏の絵で読みたくなります。


ところで、数年前まで、我が家は四人で館林のつつじを見に行くのを年中行事の一つにしていました。
その帰りに茂林寺というお寺に寄ったことがあります。
そこはどうやら、「ぶんぶくちゃがま」ゆかりのお寺らしく、境内のいたるところに、焼き物の狸が置いてありましたが、どれも結構な大きさで、お話に出てくる子狸のイメージではありませんでした。

境内のしだれ桜の前で撮った写真を、今も玄関に飾っています。

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この記事へのコメント

shizunew@i.softbank.jp
2014年01月28日 22:04
カレンさんへ(○^ω^○)

しずかっていいますσ(uωuмё)おはつですん。カレンさんのブログ好きすぎます☆ベリィ≫(#*¨d)+。.:GΘΘD゚.:。+゚今日は恥ずかしかったけどコメントしちゃいました(o゚▽゚)o実は最近、カレンさん自身にも興味がですね…(⊃∀⊂)イヤン 照れるじょもしよかったら、お友達にくださいませですσ(uωuмё)メールくれたら嬉しいな(*´▽`*) それじゃ待ってますです((@^ェ^@))

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