第1252夜 【ちょっと そこまで】

【ちょっと そこまで】
福音館書店 こどものとも年少版 通巻436号 2013年7月1日発行
みずうち さとみ 作
画像

ガーゼに温もりを感じるのはなぜでしょう。
傷の上に、ふわっとやさしく当てられた記憶があるからでしょうか。
他の布とはちょっと違う、擬人を感じます。

そのガーゼに、ほのかに色が塗られ、シンプルな刺繍が施されている絵本です。
広い面積に着色されている部分が、ガーゼゆえの特徴なのでしょう、いい具合にかすれているのです。
織り目の粗いガーゼの特質が、“味”になっています。

着色にしても、ステッチにしても、作者のみずうちさとみさんが、丁寧に丁寧に作業したんだろうなと想像すると、一層絵本が愛しく思えてきます。

手ぬぐいで頬かむりをし、色々な物を積んだ自転車をこいでいくおばあさんは、私の田舎でも見かけます。
おばあさんたちはしょっちゅう、
「ちょっと そこまで」
のお出かけをします。
完全に無計画な外出ではないけれど、予期せぬことが起こっても、そのほとんどを受け入れます。
みんな、ちょっとやそっとじゃぶれない独自のペースを持っているのです。
絵本のおばあさんにも、同じにおいを感じました。

おばあさんって、時間が流れる速度さえコントロールできるんじゃないのかなと思ったりします。
本人は自覚していなくても。

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