第1082夜 【くまの木をさがしに】

【くまの木をさがしに】
教育画劇 2012年4月4日発行
佐々木マキ
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望みのものを手に入れるためには、幾つかの障害を越えなければならない…といった定説があると思っているのでしたら、その期待は緩く裏切られます。
障害は無駄に大きくなくていいのです。

もうすぐ誕生日がやってくる“きのこ”には、どうしてもほしいプレゼントがありました。
そこで、誕生日の神様に手紙を書きます。
すばらしい手紙だと私は思うので、全文掲載します。

「たんじょうびのかみさま
わたしは こんどの たんじょうびに
かわいい くまの ぬいぐるみが ほしいです。

でも、いくら みんなが
かわいい』と いっても、わたしが
かわいい!』と おもえない くまは いやです。

せかいいち かわいいと おもえる くまを ください。
どうぞ おねがいします。

しつれいしました。

きのみ・きのこ」

国語の先生だったら、「かわいいと おもえる くまを」な~んて、線を引かせるかもしれません。
「かわいい くま」ではなく、「かわいいと おもえる くま」がほしいと願われたら、神様としてはこう応じるしかなかったでしょうね。

神様からの返事は地図でした。
「くまの木へ いって、じぶんで えらびなさい」

地図を頼りに行くと、森の中でキツネに、川にかかった橋のところでヘビに声をかけられますが、彼らは邪魔をするわけではありません。
知らないところで知らないものに声をかけられるだけでもかなりの不安ですから、それ以上の試練はいいんです。

洞穴に入る時には、怖くて引き返そうと思うほどでしたが、勇気を出して穴に入ります。
真っ暗な洞穴の中では、コウモリに案内してもらいます。

最後の坂道でおなかを空かせていると、カラスがリンゴをくれます。

コウモリもカラスも、“悪役”を仰せつかることが多いのに、ここでは完璧な善玉です。

坂道を登りきった草原に、ありました、くまの木が!
『ほんとにーっ?!』
と、大人でも思いますよ。
感動です。

“きのこ”は木に生っているぬいぐるみを一つ一つよーく見て、一番かわいいと思ったくまを枝からそっととりました。
帰りは、くまが一緒なので、怖いこともさびしいこともありませんでした。

あ~、私も幸せな気分です。
誰かの幸せを自分の幸せに思えるというのは、幸せなことだとは思いませんか。

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