第1032夜 【ぶたのたね】

【ぶたのたね】
絵本館 1989年10月発行
佐々木マキ
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【また ぶたのたね】
絵本館 2005年12月発行
佐々木マキ
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【またまた ぶたのたね】
絵本館 2009年12月発行
佐々木マキ
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トロいおおかみ
不運なおおかみ
痛々しいおおかみ
まぬけなおおかみ
みじめなおおかみ
あわれなおおかみ
へなちょこおおかみ
なまぬるいおおかみ
やるせないおおかみ
かわいそうなおおかみ
信じられないおおかみ

超ついていないおおかみ
マジついていないおおかみ
なんともついていないおおかみ
とことんついていないおおかみ
まったくついていないおおかみ
ひたすらついていないおおかみ
やっぱりついていないおおかみ
どこまでもついていないおおかみ
あまりにもついていないおおかみ
どう考えてもついていないおおかみ
あきれるほどついていないおおかみ
いやはやなんともついていないおおかみ

おおかみへの同情をこめて、思いつくだけの形容をしてみましたが、到底言い表しきれるものではありません。

思えば、「」の“ おおかみ”と、シルエットがあまりにそっくりだったので、勝手に先入観を持って絵本を読み始めてしまいました。
ところが、しょっぱな、走るのが遅すぎて、まだ一度もブタを捕まえたことがない、という説明。
これは、あの“おおかみ”とは、どうやら全然別物のおおかみのようです。

足が遅いというのは、おおかみにとって致命的な欠点です。
おかげで、遊んでいる子ブタたちにはからかわれ、悔し涙を流します。

そこへ、キツネ博士がやってきて、おおかみに“ぶたのたね”をくれます。
おおかみは言われたとおり、種をまき、水を与えて育てます。

しかし、せっかく木にブタがたわわに生っても、必ずアクシデントが起きて、ブタを食べ損ねてしまうのです。

それどころか、尻尾をやけどしたり、家が火事になったり、風邪をひいたり、もうとにかく、大凶、厄日、仏滅が一気に押し寄せたようなあんばいです。

それなのになぜでしょう、実物大の“悲壮感”が漂いません。
湿度でいったら、100%でもおかしくない内容なのに、むしろカラッと感があるくらい。

これが佐々木マキ氏の“不思議”なんです。
おそらく最後のページに、そのナゾがあります。
絵本を閉じた時、キモチの方向性が、決して下にはなっていないんですから。


この三冊には、氏のサインがあります。
無邪気に遊ぶ子ぶたのカットも一緒に。
ちょっと自慢です。

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