第327夜 【ぼくとねずみの いそげ、じどうしゃ!】

【ぼくとねずみの いそげ、じどうしゃ!】
福音館書店 2000年3月15日発行
佐々木マキ
画像

私はその年代ではありませんが、田川水泡という方の“のらくろ”というマンガをちょっと思い出しました。

宇宙海賊ゴルドン船長とその一味の乗った宇宙船ゾットスは、強力なバリアに包まれているため宇宙警察の攻撃もまるで歯が立ちません。
つまり、ゴルドンたちはやりたい放題。

そのバリアを突き破る光線を発明したメッケ博士が、ゴルドンの手下に襲われているのを、買い物を頼まれた“ぼく”と、偶然町で会った友だちの“ねずみ”が助けます。
3時までにロケット基地に行かなければならない博士を、ねずみが作った赤い車に乗せて、ゴルドン一味の妨害を潜り抜けながら進みます。

上がりかけた運河の跳ね橋に上っていきながら、途中で気が変わってクルリとユーターンするところ、そして、それを追いかけていったゴルドンの手下が突っ走っていってしまうところ、理屈抜きに愉快。

断崖絶壁の道でクマに会いますが、買い物した物の中にあった蜂蜜を使って、うまくかわします。
車のチェイスを見ると、“チキチキマシン猛レース”を思い出します。
(アニメそのものももちろん大好きでしたが、声優さんたちにもヤラレてました。)

ゴルドンの空中射撃を浴びても、やはり買い物した物の中にあったジャムを身体に塗って撃たれた風を装い、難を逃れます。
道をふさいでいた牛の群には、ビーフシチューの缶詰を水戸黄門の印籠のようにかざして追い払い、無事通過。

最後はガス欠になりながらも、ロケット基地に5分前にたどり着きます。

ゾットスのバリアは突き破られ、ゴルドンたちはもう悪さができなくなりました。
“ぼくたち”はお礼にガソリンをもらいます。(うらやましい!)

家に帰った“ぼく”は、「買い物はどうしたの?」とお母さんに聞かれます。
なんともシャレた結末です。
子どもたちは、こういうウイットにとんだ絵本やマンガを、大いに読むべきです。

そして、この配色のセンス。
色がこんなにも存在感を持っている絵本は、他にはありません、というのは言い過ぎかもしれませんが、とにかく読んでいて色を意識せずにはいられません。

黒いねずみ、赤い車、運河の水の色は何色と言っていいのか?!、岩山は藤色!
黄色いロケットに赤い帯。
博士の背広も髪もひげも、連れている犬も白。
もう、たまりません。

りんごの芯、今回も落ちていました。

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