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zoom RSS 第1437夜 【ママのバッグ】

<<   作成日時 : 2017/08/11 08:33   >>

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【ママのバッグ】
福音館書店 こどものとも年少版 通巻474号 2016年9月1日発行
花山かずみ 作
画像

モノクロの絵の中で、あるものだけが赤い…
そういう絵本は他にもあります。

黒と赤というコントラストの妙を生かした絵本ばかりです。

同じような…と思ってはいけません。
この絵本は、赤いものが次々に変化します。


雨の日、しゅうちゃん”は、かさをさしてママとお出かけです。

小さな子どもの目の位置は、大人の腰より低いので、見えている景色が大人のそれとは全然違います。

ママを見失わないようについていくしゅうちゃん”が呪文のように唱えることばが、最初は

ママのバッグは あかいバッグ

でしたが、大勢の人が行き交う商店街で、しばしばママから遅れをとるうちに、

あかいのは ママのバッグ

にかわります。

同じことのように見えて、実はこの変化が、この絵本のおもしろさを引き出してくれるのです。


しゅうちゃん”は赤いものを見つけては、ママのバッグだと思って近づきます。

ところが、赤かったのはポストだったり、八百屋さんの店先のリンゴだったり、魚屋さんからネコがくわえて逃げた魚だったり、小学生のランドセルだったり。

「あれれ ママじゃない!」

うろたえるしゅうちゃん”に、絶妙のタイミングでママが(ページの右端から)声をかけます。

「しゅうちゃん ここよ!」

その都度、

「ああ よかった」

と安心するしゅうちゃん”。


こういう「不安」と「安心」の繰り返しが、子育て中には何度もあったような気がします。

「不安」を経ての「安心」を手に入れながら、「愛しい」気持ちを醸造させていくのでしょうね。
子どもと親の双方が。


さて、この絵本のもう一つの楽しみは、商店街の人々観察です。
雨の中、色々な人たちがかさを片手に行き来しています。

かさが片手にある分、しぐさが制約されるので、動いている人々なのだけれど静”でもあります。

『あれ、このハート模様の洋服を着たおばさん、さっきもいたなあ。』
『おばあさんと、この子も。』

『パンチパーマのおじさんが持っている包のフカフカフカフ”って何?』
『ウサギのコートの女の子も持ってる…』

『なるほど、パンとケーキのお店屋さんがフカフカ”という名前だったのね。』

カットサロン ダンディ”の前を、看板とおんなじ風体の男の人が歩いているし、
カットサロンのマスターがすまなそうに話しかけているおじさんの頬にはカットバン……ミスっちゃったのね。

しゅうちゃん”が一度だけ通ったこの通りを、私は何度も行きつ戻りつしました。

これからもきっと私、何度もこの通りを歩くでしょうね。

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