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zoom RSS 第1417夜 【翻訳できない 世界のことば】

<<   作成日時 : 2016/07/18 15:29   >>

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【翻訳できな 世界のことば】
創元社 2016年4月20日発行
エラ・フランシス・サンダース
前田まゆみ 訳
画像

七月二日(土)、近所にある高校の公開授業にふらりと出かけました。
けっこう蒸し暑い日でした。
一時間ぶらぶらと廊下を流していると汗がにじんできたので、冷房の効いた図書室へ、しばし逃げ込みました。

すると、四十代かと思われる女性の司書の方が、大変人なつこく話しかけてきました。
「保護者の方ですか?」(*中学三年生とその保護者も何人か訪校していた)
「いいえ、地域の者です。」
「本はお好きですか?」
「好きです。」

というような他愛ない会話の後で、
「私、今日の午後、市立図書館で○○(←覚えていない)講座の講師をするんです。
よかったらいらしてください。」
と誘うのでした。

「はぁ」
と生返事をして帰宅したのですが、昼食を食べているうちに、
『市立図書館には最近行ってないなあ。
気晴らしに行ってみるか』
という気になり、その講座とやらが何時からなのか、図書館に電話をかけてたずねました。
この時、一時半。

「二時からです」
という返事。
そして、
「お好きな本を一冊お持ちくださいね」
とのこと。

あと三十分。
すぐにも家を出ないと間に合いません。
どの本にしようかと迷っている時間はありませんでした。
というより、まったく迷うことなくある本をカバンに入れると、私は自転車で図書館に向かいました。

その前の週、大阪に住む古い友人から送られてきたその本は、リビングのテーブルの上に置いたままにしてありました。
しばらくは何度も手に取って楽しむことになりそうだと思ったからです。
つまり、とても気に入ったのです。

その本を持って図書館に行くと、二階の会議室のようなところに誘導されました。
部屋の前に、「リブリオバトル会場」とあります。

一瞬で、『こりゃぁ場違いなところに来てしまった!」と後悔しました。

なにしろ平和主義者の私は、「バトル」ということば自体も苦手なのです。
『リブリオバトルとはなんぞや?』

例の司書さんに入り口で見つかってしまったので、もう逃げるわけにもいかなくなりました。

受付でくじを引くと、「第二テーブル」とのこと。
何のことやらわからないまま着席すると、すぐに講座が始まりました。

三つのテーブルにはそれぞれ五人の人たちが座っています。
それぞれ自分の持参した本について五分ずつ話します。(その後二分間の質問タイムあり)
全員の話が終わった後、自分が紹介した本以外で、どの本を一番読んでみたいと思ったかを投票(「せーの」で指さす)します。

各テーブルで一番の支持を得た本は、決勝戦に進み、今度は全員の前で紹介されます。
そうしてチャンプの本を決めるという活動が「リブリオバトル」の内容でした。

参加者のみなさんは、私以外、事前に予約をし、おそらく練りに練った五分間の紹介を用意してその場にいたのだと思います。
他の場所での「リブリオバトル」を体験している人も何人かいました。

三十分前に来ることを決め、しかも、「ビブリオバトル」とは何なのかも知らずに参戦(?)した私は、申し訳ないような気持ちでした。
さらに申し訳ないことに、なんと金メダルをいただくことになったのです。

図書館の方たちが手作りしたステキな金メダルを首にかけてもらいながら、
『いいのか?』
と何度も思いました。

しかし考えてみれば、この本にそれだけの魅力があったということなのです。
この本とは、【翻訳できない 世界のことば】です。

世界には、他のことばではそのニュアンスをうまく伝えられない「翻訳できないことば」が、こんなにもあるということを教えてくれます。
しかも、どれもステキなことばばかり。

例えば、
「涙ぐむような物語に触れた時、感動して、胸が熱くなる」
という動詞 COMMUOVEREが、イタリア語にはあるのです。

「最低限の道具や材料で、とにかくどうにかして、問題を解決すること」
というヒンディー語JUGAAD は、今すぐ自分のことばとして使いたい!

日本語もいくつか登場します。(「木漏れ日」など)


秋田出身の私は、「(標準語に)翻訳できない 秋田のことば」に、これまで何度も歯がゆい思いをしてきました。
『秋田のことばでなら、もっと細やかに表現できるのに…』

思えば、方言を話す人なら誰でも、似たような思いをしたことがあるのではないでしょうか。

土地や風土、しきたりや文化、何に価値を見出すのか…そういったことが「ことば」を生み出すのだとしたら、「翻訳できない」ことばがあるのは当然です。

ことばを知ることで、そういった違いを知り、理解し、味わう…そういう楽しみをこの本は教えてくます。

ブックデザインもすばらしい!
一枚一枚の絵を、飾りたいくらいです。


実は、金メダル以上のサプライズがこの日ありました。
隣のテーブルで、背中合わせに座っていた方が、私にこの本を送ってくれた友人の妹さんだったのです。
初対面です。
私の名前に聞き覚えがあったのか、
「あの〜、私、○○の妹です。」
と話しかけられ、
えー! この本、先週、お姉さまから届いたんですよ!」
と、思わず大きな声が出てしまいました。

こんなことがあるんですねぇ。
嬉しいより驚きで、フワフワと自転車をこいで帰りました。

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