絵本千夜一夜

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zoom RSS 第1409夜 【かずくんのきいろいながぐつ】

<<   作成日時 : 2016/06/13 22:12   >>

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【かずくんのきいろいながぐつ】
福音館書店 1973年7月1日発行
山下明生 さく
柏村 勲 え
画像

絵本の空間であることを感じさせない、広ーい世界があります。
本当に自分が、海辺や、海の中にいるような気持ちになります。
潮の香り漂う空気や海水を、ちゃんと五感で感じるのです。

何様ですかと言われそうですが、のびのびとした絵が、それを可能にしているのだと思います。


夏の夕方、「かずくん」は父ちゃんの帰りを待ちながら、砂浜で船を作っています。
黄色い煙突の砂の船です。

↑漢字変換しましたが、原文のままの書き出しです。
無駄の無い、いい文章なので、そのまま書いてしまいました。

漁船の音が聞こえてきたので、「かずくん」は砂の船をそのままに、港の方へ走っていきました。

黄色い煙突とは、「かずくん」の長ぐつのカタッポです。

「かずくん」がいなくなると、砂の穴からシオマネキが出てきます。
「おもしろいもの 見つけたぞ」
シオマネキたちは競争で砂の船に乗り込み、はさみを振って波を呼びます。

大きな波が砂浜を駆け登り、砂の船は崩れてしまいます。

ここから「かずくん」の黄色い長ぐつの旅が始まります。

黄色い長ぐつのカタッポは、海の中へと引っ張りこまれてしまいます。

「かずくん」と父ちゃんが一生懸命探している頃、黄色い長ぐつは、海の中を流れていました。

最初にウミウシが入り込みましたが、ダボハゼやクサフグといった魚たちがやってきて、追い出してしまいました。

そこへ大きな伊勢海老がやってきて、魚たちを追っ払います。
食材としてではない伊勢海老を見るのは、なんだか新鮮です。

伊勢海老が長ぐつをズボン代わりに履いていると、タコがやってきて伊勢海老を食べようとします。

そうです、この絵本、何気なく食物連鎖を教えてくれているのです。

長ぐつを頭にかぶり、調子に乗って踊っていると、タコはウツボににらみつけられます。

墨を吐き、一目散に逃げたタコは、タコ壺の中にもぐりこみます。

タコが壺の中で眠りかけたころ、海の上では「かずくん」の父ちゃんがタコ壺を引き上げていました。

黄色い長ぐつのカタッポは、ちゃんと帰ってきたのでした。

海の男、父ちゃんの赤銅色の肌が印象的です。

長ぐつが戻り、「かずくん」は大喜びで父ちゃんに飛びつきます。
そうして二人で、今度は黄色い二本煙突の船を、砂で作ったのでした。


「かずくん」にしても、伊勢海老にしても、絵本の紙面に収まり切っていない場面があります。
それがきっと、スケールの大きさを感じさせてくれる秘密なのでしょう。
一つ一つの海の生き物が、リアルだけれども愛らしく、ユーモラスに描かれているのでした。

それにしても、「カタッポ」というのはドラマを生むようになっているようです。

山下明生氏の絵本は、第68夜、第368夜、第487夜、第1180夜、第1336夜でも紹介しています。

柏村勲氏の絵本は、第174夜でも紹介しています。

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