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【クモのつな】 福音館書店 こどものとも 通巻632号 2008年11月1日発行 西アフリカ・シエラレオネの昔話 さくまゆみこ 訳 斎藤隆夫 画 昔々、雨の降らない日が長く続き、大地から緑が消えてしまいました。 食べ物が手に入らないので、動物たちはみんなお腹が空いてふらふらになり、がりがりにやせていました。 ん? この動物はなんだろう、緑色の・・・ トカゲの一種かな? そう思って見守り続けた動物が、最後には甲羅をしょったカメになりました。 カメだけではなく、こぶのできたラクダ、斑点のできたヒョウ、鼻の伸びたゾウ、トゲだらけになったヤマアラシ、それぞれの動物の姿形の由来のお話です。 みんながやせこけている時に、独りだけまるまると太っていたクモに連れられ、ある日野ウサギはクモの糸(綱)を伝わって木の上にのぼり、おいしいものをたらふくごちそうになります。 誰にも言ってはいけないという約束をあっさりと破り、野ウサギは他の動物たちを連れて、クモのふりをして糸(綱)をおろしてもらいます。 クモの糸(綱)に何匹もの動物がつかまってぶら下がっている図は、生きることに必死になるのは当たり前と思わせながら、やはり“強欲”を感じないわけにはいきません。 結局、自分に黙ってクモの糸(綱)をのぼろうとした野ウサギたちに気づいたクモが、木の上の母親に糸(綱)を切るように言ったので、動物たちは目的を果たせず落ちてしまいます。 そうして、例の姿形になったというわけです。 斎藤隆夫氏の、形容しがたい色使い。 それぞれの色をなんと説明したらよいのでしょうか。 干からびた大地の色、いやらしくも照りつける太陽のある空、そして、それぞれの夜の場面。 クモの糸(綱)が虹色なのが印象的です。 クモも、“クモ”と言われなかったら『何だろう?』と思ったかもしれない色と形です。 動物たちがクモの糸(綱)にぶら下がっている絵の背景が、この絵に不思議な空気と存在感をもたらしています。 この物語の舞台であるシエラレオネという国の歴史と現在の状況を、折り込み付録のさくまゆみこさんの文章で読むと、深刻すぎて悲しくなるのですが、この絵本の結末のように、やがては実際のシエラレオネにも緑が戻り、子どもたちが笑顔で暮らせる日が来ることを祈らずにはいられません。 |
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