絵本千夜一夜

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help リーダーに追加 RSS 第361夜 【おみやにいったら むしがいる】

<<   作成日時 : 2008/06/15 21:05   >>

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【おみやにいったら むしがいる】
福音館書店 かがくのとも 通巻160号 1982年7月1日発行
日浦 勇 ぶん
たかはし きよし え
画像

このタイトルからして察することができますが、日浦氏は、歌のように流れるリズムの文章を綴るすばらしいセンスの持ち主です。
これは“かがくのとも”ではありますが、説明めいた文章では書かれていません。

最初のページの文章はこうです。
「おやつを たべたら おみやへ いこう。
おみやにいったら むしがいる。」

どうです?
スキップしながらお宮に行く気になりましょう?
なんだか妙に調子がいいのです。
その後も、生き生きした文章が続きます。

「じろ じろ じろりと さがしてみよう。」

「ちいさい みのむし。
おおきい みのむし。
こまいぬさんの ひげみたい。」

「これは なんだ。
みんな むしだ。」

ぜひとも音読したほうがよろしいでしょう。

絵もまたすごいのです。
やはり最初のページ、大きな鳥居をグイと下から見上げるアングル。
その向こうにはお宮の木々の緑。
そして、飛んでいるセミと、鳥居にとまっているセミ。
広がる夏の空。
自分がこの場にいるような気に、一気になります。

遠近のはっきりした絵も、臨場感をかもしています。
手前のものは大きく、遠くのものは小さく、それは遠近法の基本ですが、ここまでやりますか・・・というくらいドーンとやってくれています。

それにしても、いやいやこんなにいるんですね、虫って。
成虫もさることながら、巣や卵のかたまりがいたるところにあります。

セミのぬけがらにしても、アリにしても、バッタにしても、私なんぞはすべて一くくりにしていましたが、それぞれこんなに種類があったとは。

ただ、アリをアップで見せられると、ちょっと怖い感じがします。
アリさん、小さくてありがとう。

虫が好きとは言えない私ですが、この絵本の世界が過去のものにならないように祈ります。

【モンシロチョウは なにがすき?】
福音館書店 かがくのとも 通巻229号 1988年4月1日発行
藤井 恒 ぶん
たかはしきよし え
画像

私にとって、チョウチョといえばそれは“モンシロチョウ”です。
確かに大きくてきれいな色のチョウチョにも心惹かれますが、一番身近なチョウチョは何と言っても“モンシロチョウ”なのです。

秋田の実家では、春ならばいつでもどこででもモンシロチョウに会えました。
ひらひらと、まさに舞うように飛んでいるモンシロチョウは、あまりに当たり前すぎて、特に気にも留めないような存在でしたが、こうして改めてその特性を知ると、なんだか見る目が変わりそうです。

例えば、「羽を上に振るとお腹が下に下がり、羽を下に振るとお腹が上に上がる」という“運動”。
真っ赤な花はきらいらしいこと。(黄色や赤紫が好き)
太陽が照っていないと体が冷たくなって動けないということ。
花は好きだけれど、眠るのは背の高い草が茂った所であること、などなど。

キャベツに卵を産み付けられるのは、実家の両親共々勘弁してもらいたいけれど、モンシロチョウのいない野辺なんて、やっぱり想像できません。

【日本 めぐるきせつ かわるけしき
福音館書店 1987年4月30日発行
岡部牧夫 文
たかはしきよし 絵
画像

改めて、日本は東西にも南北にも長い国であることを思い知ります。
面積としては小さい国なのでしょうが、こんなにも異なる気候風土を有する国なのだと思うと、決して“小さい”とは言えないような気がしてきました。

この絵本には、日本の六つの土地の四季の風景が描かれています。
六つの土地とは、
・沖縄県名護市
・広島県御調郡久井町
・三重県尾鷲市
・石川県石川郡白峰村
・千葉県船橋市
・北海道斜里郡斜里町
(いずれも、一回の変換で正しい漢字が出るのに感動

もちろん、北と南、東と西では季節の進み具合、植物などなど、違うこともありますが、どのページを見ても、緑豊かであることに感動します。
人間があれこれ画策しなくても、「美しい国日本」なんです。
むしろ、あんまり人間が活動(よい意味ばかりとは限らない)しないほうが、美しさを保てるのかもしれません。
こういう風景を過去のものにしないように、もっと日本の美しさを私たちは強く認知するべきなのでしょう。

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